ICUから病棟に戻って以降の話をまとめてみました。
このブログに記録用として記載する内容は、あくまでも私個人の経験です。気がかりなことはかかりつけの病院でご確認ください。参考程度にとどめてください、微力ですみません。
お腹が空かなかった
お粥から食事が再開されるのですが、全然食欲がわきませんでした。胸が苦し、胃が圧迫されている感じで、深呼吸がしにくい感じがありました。無理やりにでも食べるか迷いましたが、食べたくない自分を優先しました。とにかく胃が動いていない感じで、こんなに食べていないのにお腹が空かないなんて…と。せめてお腹が鳴ってくれたらな、と思っていましたが、食べないと排泄できないかもしれないと、がんばって箸をつけられるようになってきたのは、4日目になってからでした。

退院後1ヶ月の今でも、食欲は8割程度しか戻っていません。絶食中に胃が小さくなってくれたのかな、と前向きに捉えていますが、世間の1食分食べられないので、メニュー選びが悩ましいです。



あんなに食べれなかったのに、退院後すぐの体重は1kgしか減っていませんでした…。
呼吸がしずらい
炭酸ガスのせいかなと思っていましたが、深く呼吸ができなくなっていました。胃腸とはまた別に、お腹周辺が動かない感じがあって、息が深く入っていきません。横になってですら、胸式呼吸になっている感じがしました。深く入れてるつもりでも入っていく感じがしませんでした。



呼吸が浅いのは今も続いています。腹圧を気にして動かさないようにしている分、横隔膜を動かす筋力が失われているのでしょうか…。
痛み止めは飲み続けた
飲水が許可されると、その後はロキソニンで痛みをコントロールするようになりました。麻酔科診察で、「痛みに耐えるより、薬を使ってでも動いた方が回復につながる」と説明を受けていたので、「痛かったら飲んで」と言われましたが、痛みの有無を確かめることもなく、きっちり6時間おきに飲み続けました。一瞬だけ薬の切れるタイミングを経験しましたが、ズキズキする痛みを感じたので、効いていたのだと思います。
寝不足のせいか、目の奥が痛い頭痛が1日中していた日もあって、こちらはロキソニンが全然効きませんでした。看護師さんの配慮でカロナールをいただけて、これは有効だったようで、翌朝には治っていました。
入院中に処方された薬はすべて回収されてしまうので、退院直前に飲めるようロキソニン1錠を確保させてもらいました。
夜になると咳が止まらない
体を横にしたからと推測しますが、夜になると咳が出るようになりました。のど飴をなめながら寝てみたりしましたが、思うようには治りませんでした。腹圧をかけないようにと大きな咳は出ないようにしていたので余計に長引く感じがしました。
看護師さんの回診で「風邪症状ないですか?」とコロナを意識した質問をされている以上、言わないのは周囲の方に申し訳ないと思い、自己申告しました。体温が36.0度程度で安定していたので違うだろうとは思っていましたが、コロナ検査が2回あり、どちらも陰性でした。
気管挿管で傷ついたのかなと思っていましたが、日中体が起きているときはそこまで発生しないので、体勢に関係していたようです。



退院してからも夜の咳はしばらく続きました。おそらく手術時の体勢の問題で、逆流性食道炎が生じていたと思われます。そちらの薬を飲むようにしたからかはわかりませんが、1週間程度で、咳はおさまりました。
ハラハラドキドキの排便
もともとちょっとしたことで便秘になりやすいタイプ。入院だなんてイレギュラーな生活なら出なくても不思議はなくて、案の定…。看護師さんが聴診器で確認する限りで腸は動いているようでしたが、自分の体感としてはどう考えてもでる気配はありませんでした。
でも、病院としては腸閉塞などの危険がないことを確認したいのでしょう、どうしても退院前に1回は排便を確認したいと、毎回排便の確認をされました。ガスは出ていたので一応腸も動いていると思われ、腸閉塞の心配はなさそうでしたが、「歩いて出しましょう」と言われますので、思い出すたびに歩きました。
4日目に担当医が排便のないことを確認してマグミットと緩下剤を処方してくれることになり、なんとか退院の前日の夕方に、完遂できました。



ガンガン薬を飲んでいたので、むしろ下していましたが、出ないより全然いいです、と言われました。
歩く以外で自分にできることはないか…と、腸を動かすべく、コンビニで甘酒や飲むヨーグルトを買ってみたりもしました。ネットで調べて、便通に効くツボを刺激したり、お腹をさすったり、足を揉んでみたり、かっさでも持ち込むんだったなと思ったりしました。
効果のほどはわかりません。でもたぶん、強くいきめないこともあって、薬がなかったら難しかっただろうなと感じます。術後の抗生剤で腸内細菌が死んでるだろうことを考えると、薬で助けてもらったとしても仕方ないんじゃないかと思っています。むしろわりと積極的に処方してくれた判断に感謝しています。
炭酸ガスのせいじゃなかったぷっくりお腹
ぷっくりしたお腹を触りながら、いつになったら炭酸ガスが抜けるのかな〜と思っていたのですが、ある日ふと、まじまじとお腹を見ていたら「あ、元々このくらいお腹出てたわ」と思い出しました。
看護師さんは術後すぐから「やわかいし張ってる感じないけどねぇ」って言われていたんですが、それ以降ガスの話はしなくなりました。
体の中に残っているガスは、腸などに吸収されてなくなっていくらしく、おならで排出されている分もあるようです。
人間の治癒力に感動する
ICUから病室に戻ってきたとき、あと数日で退院なんてとても信じられませんでした。歩くにも点滴のスタンド頼みだったし、力強くも歩けないし。でも、よくよく自分の体を観察していると、昨日大変だったことが、次の日には気にならなくなっていました。昨日はしんどかったのに今日は大丈夫。昨日はこんなに早く歩けなかった。だるいから横になっているんだけど、立って歩いたらだるさがむしろ抜けていたり。
こんなにわかりやすく回復していくのか…と気づくたびに感動せずにはいられませんでした。



退院後のリハビリがてらする散歩の歩ける距離も日々増えていて、感慨深いです。
教授回診は、研修医さんの練習なのかも
日に2回ある教授回診。5人くらいのときもあれば、10人くらいのときもあり、声をかけてくる人も日によって変わりました。
本来、必要なことは先生に聞くべきなんでしょうけれど、担当医じゃないしわかってないだろうし、看護師さんに聞けばいいかとか思っちゃっていました。
でも、前回の入院のときとは違って、薬の手配とか、排便の確認とか、今回はきちんと状態を理解した上で回診してくれている感じがあって、ざわざわしないで話が聞けました。
一番偉い人ではない先生が声をかけてくることが多かったのですが、メモを見ながら緊張している様子の先生をみるにつけ、これは「先生になる」練習の一部なんだなぁと感じまして、心の中でがんばってねとエールを送っていました。
『変な家2』をお供にしていました
ICUから戻ってきた日はさすがに、うつらうつらしていて本を読む気にもなりませんでした。スマホの文字を読むのもしんどく、誰かとのやりとりなんて勘弁してくれって感じでした。
翌日は頭痛がしていましたが、時々歩きつつ、だらだらしていましたが、なんとなく本を読み始めました。結局、3日間で2回くらい読みました。
現実離れした感じで、続きが気になる強さもあって、ほどよく意識を逸らすことができ、入院中という非日常を乗り越えるお供としては最適な選択でした。それにしたって、よくあんな話を思いつくもんだなぁ…と。



雨穴さんのシリーズって、ノンフィクションじゃないですよね?!