RICOH GRIIIを手放して、Nikon Zfcに乗り換える検討の途中経過①

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買い換えようと考えたきっかけとか、これまでのこととか、実機を見る前に考えていることのお話。

目次

どんなときも、使えるのは1つだけ

私はいつも、最終的には「この1本」と呼べる最善の何かと添い遂げたいと考えている。

万年筆も、パイロットのカクノから始まって、セーラーのプロフィットスタンダード21を通り、プラチナの14k美巧、3776 センチュリー、プロシオンを通過し、キュリダスに落ち着いた今、他の万年筆のことを全く見なくなった。インクも、パイロットの色彩雫から始まって、プラチナのミクサブルインク全色を通過し、ジャック・エルバンに落ち着いたら、キュリダスとは相性の合わないセーラー系の多いご当地インクには見向きもしなくなった。

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ラメの素があるから、なんでもラメインクにできるようになったのも、市販品を見なくなった理由かも(つけペンで使います)。

現在手元には、タイトルにもある「RICOH GR III」と「Nikon D5100+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」がある。持ち歩くのは常にGR IIIで、手に余るニコンをどうしたものかと、視界の隅に入るたび心苦しかった。年単位で電源を入れていないくらい、忘れてはいなくとも、動かすことすらしてこなかった。

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品名の青字をタップすると、メーカーの公式サイトで機種を確認できます。

カメラが趣味の人は複数台を持ち歩き、外でレンズ交換もするのだろうが、私はしない。フルマニュアルのフィルムカメラを楽しんでいた時などは、デジカメと2台を襷掛けにして歩いたこともあるけれども…。

46歳。子なしの私。いつか、自分がいなくなっていく時、その後片付けを担う誰かの負担を極力少なくしておきたい、のもある。ミニマリストや断捨離など、物を減らしてシンプルに暮らすスタイルを目にする機会が増えたことも、影響しているかもしれない。

向き合うのは、ひとつにしたい。添い遂げるのは、ひとつにしたい。そう思うことが増えてきた。シャッターを押す瞬間、手にできるのは1台だけだから。

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カメラやレンズを使い分けてまで熱心に「写真作品」を作りたいわけではないのかも。撮影はしたくても、被写体にしたいものが明確にあるわけじゃないから。

RICOH GR を選ぶまでの変遷

最初に手にした、OLYMPUSのコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)は、社会人1年目で購入した。20年以上前の話だ。写真を趣味にしてみたかったので、ある意味、よくわからないまま、なんとなく、可能な範囲で買えるカメラを買った。

絞り優先とシャッター優先が付いている機種を選び、それからしばらくは、オリンパスを買い続けた。3回くらいか。機種名は覚えていない。

そのうち並行して、カメラを趣味にするのなら、やっぱりフィルムだよなと思い、さらにフルマニュアルで扱えるようでなくては、という気分になり、新宿の中古ニコン屋で、NikonのNew FM2 を購入した。今思えば、FM10にしておけば軽くてよかったのにって思うけど、当時はなんか、クラシックカメラであることに、「趣味・カメラ」の気分を作ってもらっていたのだと思う。

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実は手元に、父の遺したニコマートもあったけど、あまりにも長く放置してしまっていて。修理に出したことで普通に撮影できるようになったけど、露出計までは治らず、使ってみたものの不便で。後述のタイミングで手放しました。

Nikonを選んだのは、父がニコマートだったからと、友人の「カメラはカメラメーカーがいい」という言葉があったからだと思う。New FM2にしたのは手の届く価格のフルマニュアルだったから。露出計はあるものの、フォーカスを含めてオート機能は一切なく、すべてマニュアル。加えてレンズは、50mm f1.8(だったかな?)の単焦点。カメラ学校ではこれでとにかく勉強すると聞いたのを間に受けたかたちだ。

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絞りとシャッタースピードの関係とか、正しく扱えるようになってきたのが、実はここ2、3年のことなので、わけもわからないままよく撮影できていたな、と思う。

フィルムカメラにハマった当時、遊んでいたトイカメラの「フィッシュアイ」が面白かったのもあって、Nikonのフィッシュアイレンズを持っていたこともある。レンズ交換が楽しいのが一眼レフカメラのウリだけど、出先で交換するのが気恥ずかしくて、フィッシュアイをつけたら、50mmはお留守番スタイルだった。

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50mm単焦点以降現在に至るまで、デジカメを含めても、ズームレンズを使ったことがない。明るいレンズじゃなくてどうする!と思っている、私の場合。

とにかく現像にお金がかかることが、稼ぎの少ない私にとっては頭を悩ませる問題だった。アンチデジタルみたいな気分のときもあったけど、50mmの明るい標準レンズ(とフィッシュアイ)がそのままマウントできることを理由に「D5100」に買い換えた。フィルムカメラで楽しんだ旅行は、14年前の新婚旅行で訪れた台湾が最後となった。

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D5100はレンズキットで買いましたが、ズームレンズはお試ししただけで、箱にしまいっぱなしでした。

マニュアルの50mmレンズが、実質75mmになっちゃうことを全然知らなかった。それに加え、New FM2もそうだったけど、D5100は苦痛なまでに重い。

やがて、マクロの世界に興味を持ち始めると、フィッシュアイを手放して、単焦点でそこそこ明るく標準レンズに近いレンズ一本に集約することに。現在手元にある「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」である。

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とにかく寄りたかったし、ぼかしたかった。これは今も続くフェチ。

大事なことだからもう一回言うけれど、持ち歩くのに、D5100は苦痛なまでに重かった。他のカメラに目移りするには十分な理由だった。

宮崎あおいさんのCMが記憶にあるOLYMPUS PENシリーズなんかは、かなり惹かれた。最初のデジカメがOLYMPUSだったのもあったと思う。でもなんか、新しくでてきたミラーレスとやらになびくのが、「趣味・カメラ」としては邪道な気がしていた。

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こちらの記事で言及していますが、ファインダーがないことが理由だったのを思い出しました。

そうして白羽の矢が立ったのが、なにやらすごくいいらしい噂ばかり聞こえてくるRICOHのGRシリーズだった。

一眼レフでは手に余るけど、カメラ好きな自分の欲は満たしたい。本当は、この、プロも惚れる機種を使っている、「趣味・カメラな自分」のステータスが欲しかったのかもしれない。と今にして思えば…なんだけど。

RICOH GR III 入手までの経緯

フィルムカメラ時代から、その評判は耳にしていた。あのRICOHがGRを継承したデジカメを発売!というコンセプトに湧き立つ界隈の人々も見てきた。だがしかし、高額すぎて手が出せない。なんとなくそんな話をしたら、結婚前の主人が、「RICOH GXR」を購入した。その後ほぼほぼ使っていなかった彼からお借りする形でいじり始め、さらにGRの雰囲気を味わうため、GXR用の高級なレンズ「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」をヤフオクで落札する。

これでますますGRがほしいと思うようになり、当時持っていた、資金になりそうなカメラとレンズをすべて手放し、中古でGR IIを入手したのである。もうすぐIIIがでるのでは?と言われていたタイミングで、価格的にも落ち着いていたはず。余談だが、GR IIはメルカリで購入した。新品に近いって書いてあるから選んだのに全然傷だらけで、どこからどうみても新品には見えず、騙されたことが許せず、苦いスタートだった。ことを思い出しちゃった。

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ちなみにこのとき、New FM2、ニコマート、50mm単焦点レンズ、D5100キットのズームレンズ、GXR一式(主人のなのに!)を手放した。軍資金としてはそこまで足しにならなかったけど。

GR II はとにかく面白かった。どこにでも持ち運べる軽量さは言わずもがな、さまざまなフィルターも面白いし、画質というより、色も好みにあっていた。もう一生、GRでいいと思ったくらいだ。

だからGR III が発売されると、上位機種なわけだし…と居ても立っても居られず、ろくに下調べもしないままGR II を元手にして、早々に乗り換えてしまった。

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早々じゃないと、GR II の買取金額が下がってしまう懸念もあって。

今となってはそんなに思い出すこともないのだけれど、GR III に乗り換えた当初は、GR II に戻りたくて仕方なかった。操作性は慣れの問題としても、とにかく色味を好きになれなかった。なんか、II とは違ったのだ。同じように感じている人がいないか調べたりもした(見つからなかった)。が、今さら古い機種に戻す決断もできず、そのまま使い続けることに。

この、色味に対する小さな不満が、現在、写真を撮る楽しみから遠ざかっている一因といえなくもない。無理やり撮るようにしていた時期もあったけど、今は鞄にすら入れないことが多い。

GRIIIを元手にすれば、Nikonミラーレスも夢じゃないかも?

Nikon Zfc がふってわいたのは、目の端にちらつく、「Nikon D5100+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」を手放せなかった理由にある。電源も入れられることなくほこりをかぶる、D5100。にもかかわらず色気すら感じたあの1枚が忘れられない。

本来であれば、GR II もしくは GR III のために手放していてもおかしくないのだが、どうしてもできなかった。手放すか迷って撮り比べた時、その違いに息を呑むほど感動しちゃったのだ。撮影された画像が、あまりにも美しかった。この美しさを手放していいのか…。奥行きの深さが段違いに思えた。

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GRレンズの素晴らしさはとてもたくさん語られているんだけど、白状すると、私にはそれがよくわからないのである…

とにかくどうしても、手放せなかった。とはいえ、大事なことだからもう一回言うけれど、D5100は苦痛なまでに重い。GR II 以降、外出でも仕事でも、出番がくることはほとんどなかった。それでもつい先日、ふと数年ぶりに電源を入れ、物撮りをしてみた。

ああやっぱり美しい。

すでに20年以上前の機種であるD5100の操作性は不便だ。GR III の操作性に慣れてしまっている分、苦痛に感じる。最近の機種なら、きっとGR III と同じくらいの操作性があるだろうに…。

と、頭をよぎったのは、GR III が入手困難で高値になっている、というテレビの一コマ。GR III を元手にすれば、ミラーレスくらい手に入るのでは???と、思いついてしまった。

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GRを手にしてからは、万年筆と同じように、まったく市場を見なくなっていたので、価格含め状況がわかっていませんでした。

Nikonレンズの描画力に惚れていて、D5100から乗り換えるとしたら、それは GR III を使わなくなるのと同じことだ。

色味がどうとか言いつつ、フォルムや機能や気分は完璧なので、まさか自分の興味が GR III から離れる日がくるなんて、想像もしていなかった。

ふってわいた Nikon Z fc

想像もしていなかった割に、なんて素晴らしいアイデアだ!と検索を開始し、たどり着いたのが、「Nikon Z fc」。完全に一目惚れだ。

検索を開始した当初、カメラ本体に関して気になっていたことは、軽さや小ささと、Fマウントレンズの行方。

Nikon ミラーレスへの買い替えが現実味を帯びたのは、アダプターを使えば、Fマウントのレンズが使えることだった。その描画力に惚れている「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」をそのまま使えるとあって、俄然ほしくなった。

Zfcのマニュアルライクなダイヤル操作がツボだ。いちいち画面からメニューを選択して設定するより、物理的に操作できるのは、便利そうだ。かつてのクラシックなカメラを彷彿とさせるその外観と操作性は、写真を撮っているのは自分だと思わせてくれる。マニュアルカメラを通過してきた私ゆえの萌えポイントかもしれない。

仕事でしている物撮りを考慮すると、レンズキットについてくる「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」は使い勝手がよさそうに思える。現在のGR III と同じ28mm(35mm換算)を網羅しているし。目一杯手を伸ばさなくても、大きめな品物の俯瞰図を撮影できるのは助かる。

譲れないものは何か

そうだ、価格を計算してみよう。GR III の下取り交換で購入予定なので、マップカメラの値段を転載してみる。すべて新品価格。

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場合によっては中古購入もあり。

購入パターン1:レンズキットとマウントアダプター

  • Zfc + NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR レンズキット ¥135,630(税込)
  • マウントアダプター FTZ II ¥29,700(税込)
  • 合計  ¥165,330 (税込)

「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」をメインにするには画角が狭いという欠点がある。今まで「GR III」の28mm(35mm換算値)で慣れてきた私が、60mm(35mm換算値)をメインで楽しめるだろうか…。

余分なところをカットできるスクエアで撮影できていた恩恵かもしれないけど、すごい魅力的に感じていた「GR III」の35mm・50mmのクロップ機能も、結局ほとんど使っていない。ということは28mmに慣れているのはたしか。

いさんで買い込んだ「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」が、D5100の重さを理由にその出番を失っていった一因、実はこの画角の狭さにもある気がする。

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たとえば旅先の、広大な景色を前にしたときの残念感、うっすら思い出してきた。

「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」これ1本でこれからの「趣味・カメラ」を支えるには無理がある。物撮りの仕事も厳しそうだ。となると、キットの「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」はあっていい。

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あれ?「これぞという1本」と添い遂げたいのに?

Fマウントレンズを複数所持しているならまだしも、このマクロレンズのためだけに、「マウントアダプター」を購入するのが果たして得策なのか。

今後、Fマウントがそのまま使えるD5100タイプの大きな一眼レフカメラには戻ることはないだろう。これぞという1本に出会いたいので、複数のレンズを使い分けるスタイルじゃない。いわゆる「オールドレンズで遊ぶ」方向へも向かわないだろう。マニュアルっぽさはもう通過したので、楽しまなくていい。別のFマウントが欲しくなることは考えにくい。アダプター+Fマウントレンズの頭でっかちな見た目のアンバランスはすごく気になる。これで重くなるなら本末転倒じゃないだろうか。

購入パターン2:レンズもボディも総取替

Zマウントで、似たような環境が作れないだろうか…?

APS-Cサイズで唯一の単焦点レンズ

  • ボディのみ ¥116,820(税込)
  • NIKKOR Z DX 24mm F1.7¥33,300(税込)
  • 合計  ¥150,120 (税込)

単焦点ってだけならこれもありでは?

  • Z fc Z 28mm F2.8 (Special Edition)レンズキット ¥145,530(税込)

私のレンズ選びの基準は、とにかく明るいF値の単焦点標準レンズ。で、価格がぐぐっと抑えられているもの。

APS-Cサイズで唯一の単焦点レンズ「NIKKOR Z DX 24mm F1.7」で、「添い遂げる」を遂行すべく、レンズキットではなく本体のみ、レンズもこれ1本のみ。

GR III の環境に限りなく近づける最良の選択ではないだろうか。GR IIIxとほとんど一緒だ。ないのはマクロモードだけ。RICOHが40mm(35mm換算値)を発売していることを加味しても、案外、28mmより使いやすい画角なのかもしれない。

そもそもマウントアダプターとレンズの価格がほぼ一緒なのをみたら、「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」を手放し、最初からこの単焦点レンズを購入しちゃうのもアリに思えるプラン。

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んだけど…「Zfc」のレンズキットとして発売されている「Z 28mm F2.8 (SE)」は、セットで買うなら悪くない価格だなぁ…。

「NIKKOR Z DX 24mm F1.7」にした場合の懸念は、馴染みのない 38mm(35mm換算値)の画角と、惚れた「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」の描画力との違いが検討もつかない点。

画角に関しては、まぁ理論上、GRのときより被写体から離れればいいだけだ。自分の撮りたい映像を想像しても、マクロ好きに代表されるように、広く撮りたい!ってことは、広大な自然でも目の前にしない限りなさそう。物撮りも、「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」のお試しでなんとかなったんだから、まぁ大丈夫だろう。

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どうしてものときは、スマホが使えるし。

残すはマクロ。GRシリーズの、ボタン一つで瞬時に寄れるマクロ機能は最高だった。結局、「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」を購入した動機のすべてを、GRシリーズは網羅していたことになる。買い替えにあたって、「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」に心が残る理由とも言えるか。

全てを買い替えたとしたら、「NIKKOR Z DX 24mm F1.7」はステップアップリングは買い足さないとだけど、「NIKKOR Z 28mm F2.8」にせよ、手持ちのクローズアッレンズで、擬似マクロにすることはできそうだ。

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フィルターの持ち歩きと取り付けが面倒だけど。

答えのないまま、一旦終了

うう、決めきれないまま、終了します。

何はともあれ、実機を見にいく機会を待ちたい。

その後の思考はこちらから

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