国税庁が提供する、「暗号資産の計算書(総平均法用)(EXCEL/233KB)」で、納税にかかる計算を行おうと思っても、2017年にふっとんでしまったビットコインをどう処理していいのかわからないまま、もうすぐ10年が経ってしまう………。今あるビットコインをいつまでも放置していたら、どんどん値が下がってしまうかもしれない。
ここにきてようやく、管轄の税務署に確認に行く決心がつき、予約して話を聞いてきたお話です。
問題:(H)と(I)が埋められない……
ビットコインを購入し始めた2017年。その初手から以下の表の中の(H)と(I)が定まらないので、いつまで経っても正しい数値がわからないまま、10年近く放置してきました。

ことの発端
2016年年末、唐突に我が家にもたらされた、D9 Clubという投資案件。あれよあれよと、80万円近い金額をかけさせられたまま、回収できない事案に巻き込まれました。
D9 Club は日本でも詐欺案件として、訴訟がおきたような事案です。
この訴訟に登場する人物との接点はありませんでした。2017年は、D9以外にも複数のヘンテコな事業に勧誘されましたが、割愛します。
2017年に購入したビットコインは、2.90ビットコイン。今これがあったら………と悔しくて仕方ないです。仕方ないのですが、この時に失った日本円については、当時の残骸のおかげで、回収できたという皮肉。
回収できたので、そのまま少し増やしてみることに。したのはいいけれど、売却したらどうやって計算すればいいのでしょうか。
売却をしたけれど、計上の仕方がわからない
2021年に大きく利益が出ていると思った私は、なんとなく売却してみることにしました。さきにあげた計算書にどう計算していいのか、さっぱりわからない………。わからないけれど、とりあえず納税するという誠意だけ見せておこうみたいな感覚で、雑所得を計上しました。でも、本当にこれでいいのか?という疑問が拭えませんでした。
しかも当時はすっかり過去を忘れていて、ひとつの取引所の数値しか計上していませんでした。年間取引明細書を細かく読み解く力もありませんでした。
それでもなんとなく買い足しを続け、でも申告の仕方がわからないまま時が過ぎてしまいました。売却時の手続きが不明瞭だったため、ほぼ買い足しのみの動きで、申告を必要としない状態を続けていたのも、今となってはよかったのかなと思っています。
救世主 ChatGPTに尋ねてみるも
ある日、ビットコインをはじめとする暗号資産の計算について、聞いてみようと思い立ちました。2、3回、年をまたいで似たようなを質問してきました。
結局、2017年に移出したままどこかへ消えてしまった分の計上の方法など提示できるはずもなく、税務署に確認にいくか、税理士に相談にいくか、道は2つしかないことに着地してしまいます。
お金を払って税理士に相談するような金額でもない。そもそも暗号資産に詳しい税理士さんをどうやって探せばいいのかわからず、重い腰があがりませんでした。
とすると道はひとつ。税務署に行くことで、保有者として記録が残ることに一抹の不安はありましたが、後ろ暗いことがあるわけでもないし、税務調査が入ったとしたら、それはそれで引き受ける他ないわけで。
それでも電話が苦手な私は2年くらい放置していたのですが、今年、意を決して予約をとりました。代表電話にかけて事情を話し、管轄の税務署につないでもらいました。説明が複雑すぎたので、事前にChat GPTにセリフを考えてもらって話しましたが、あまり伝わっている感じもなく、それでも予約はとれて、当日を迎えました。
結論:売却と購入に振り分けて計算する
移出と移入の項目がない以上、それっぽい、購入と売却の欄に書いてみるしかない、というのが結論でした。売却はしたけど、収入はないので、金額の欄はゼロにします。ビットコインで支払われた手数料に関しても、当時のレートで評価額を算出し、ひとまず記入。
担当してくれた方との会話の中でぽろっと、このやり方でいいというお墨付きをもらいにきた、と言ったら、びっくりるすほど明確に、「そんなものはない」と言われてしまいました。私たちでは判断できないと。
え?では誰が判断するの?と思いましたが、それはあるかどうかもわからない税務調査が入った場合の、その係の人次第のようでした。確定申告、なので、その時点で「確定」はしているようです。………ややこしくて理解が追いついていません。
550600なんて曖昧な!
修正申告なのか、是正の請求なのか
私の場合、取引所や財布などを複数保有していましたが、10年の間で退会手続きなどを進め、現在は1箇所に。当時の正式な書類は保管がなく、多くの「証拠」となるものが存在しません。
2017年2018年はすでに時効を過ぎているため、このときのことが問われることはありません。書類の保管期限も過ぎていますから、証明する義務すらもないと。
税務署の方からしたらなぜ今更な案件なのかもしれませんが、スタートである2017年のこの数値が決まらなければ、すべての計算が狂ってしまい、今の、これからの私に影響があるわけです。
まともではない計算のまま、売却を2度していたそれが、「修正申告」を必要とするのか、「是正の請求」を必要とするのか。
証拠がなさすぎて、「是正の請求は通らない可能性がある」ということを口すっぱく言われました。修正申告にしても、申告するかどうかは個人の判断。やってもやらなくても本人の自由、と。
私の場合、再計算の結果、「是正の請求」に該当しましたが、戻ってくるとしても微々たるものなので、見送ることにしました。



余談:少なく計上してしまったものを正すのが「修正申告」。多く納税してしまったものを取り戻す行為を「是正の請求」と言います。修正すること全体を修正申告というのかと思ってたら違いました。



ややこしい!
ChatGPTがいなければ
ChatGPTがいたとて、自分の身に何が起きていたのかがすんなりと理解できたわけではありませんでした。
記録や記憶をとにかく全部彼に放り投げ。そこからわかること、知りたいことを整理し、税務相談に必要なものを絞り込み、説明の流れや準備しておく資料を整え。詐欺に巻き込まれてしまったことに危機感を覚え証拠を残そうと頑張った2018年の当時の私が、必死に記憶を手繰りよせて書き残したメモや、手動で計算した表のプリントなどのおかげで、全貌とは言えないまでも、一応筋の通った資産の流れを明確にできたと言えます。彼の存在なくしては今でもウジウジしたまま放置していたかもしれません。
さきほど「後ろ暗いことがあるわけでもない」と書きましたが、ChatGPTで筋の通った流れまで整理できていなければ、後ろ暗いことがないことにすら、自信をもてなかったと思います。
ビットコインはとくに、どういう風にお金が動いたのかのすべてが把握できる画期的な資産!と言われていましたが、素人の私がそれらを適切に追えるわけでもなく。A取引所からB取引所に移動していることはわかっても、そこから先は追えないとか、肝心のどこから入ってきているのかを証明することまではできなかったり。



あの履歴があることで、一体誰の何に役に立っているのか……。プロがみたら、マネーロンダリングされているとかわかっちゃうんでしょうか?
説明するには、自分で一通り把握できていなければいけないわけで。そもそも税務署で、詐欺案件でなくなってしまったって部分を信じてもらえるかが一番気がかりだったのですが、ほぼほぼ「へぇ〜」くらいなもので。重要視されたのは、すでにログインできない状態にあり、証拠保持もできていないことでした。
相談内容としては複雑だったので、たぶん上司さんと相談しての結果を教えてくれはしましたが、なんとなく、是正の請求をしない方がよさそうだな、っていうことを察しました。というより、是正の請求って、請求内容が適切とみとめられない限り戻ってこない分、手続きとしてはかなり高いハードルのようで、証拠のほとんどない私の場合、認められない確率が高いという話でした。



ここもそんなにはっきり言われたわけではありません。
この記入の仕方が正解ってわけじゃないってことも受け入れ。それでも、まずはこれでやってみるしかない、という方向性がわかったことで、あとは野となれ山となれ、です。
計算の仕方で迷っている方は一度、電話相談からしてみるといいと思います。
税務署によって違うかもしれませんが、所得税の相談は、確定申告のときみたいなスタンドのブースで話を聞かれました。こんな簡易的な扱いなのかと思ってびっくりしました。座ってじっくりだと思って、すごく緊張していたんですが・苦笑。



とにかく!これで正々堂々ビットコインの売買ができるようになったことが嬉しい。






